ショートショート「ハロウイン」DJ寝床2017.10.30 14:06 こんばじゃましますぅ! 急にごめんね、押しかけちゃって。どうせ家にいると思ったから。 え?「なに今の」って?ああ、合体あいさつだよ。 「こんばんわ」と「お邪魔します」で「こんばじゃまします」ってね。 ……そんなに嫌な顔する?君、ほんと嫌いだよね。こういうノリ。 あ...
SNSに殺されそう(零-0)2017.10.30 03:30夢を見た。ギターの夢。弦をはじく先から少しずつ錆びていって、気づけば酸化して真っ赤になっていた。ハッとして飛び起きる。OasisのLittle by Littleしかまともに弾けないくせに、なんて夢だ…。そうぼやく。酒を飲みすぎた翌朝はいつもぱちんと目が覚める。最近の研究によると...
「ブレードランナー2049」、その感想。「2049年ロサンゼルスへ、2017年群馬県より。」(高柳孝吉) 2017.10.28 14:43フェスボルタ文藝部、初投稿は、ズバリ、「ブレードランナー2049」、その感想。「2049年ロサンゼルスへ、2017年群馬県より。」前昨を観たのは、今をさかのぼる事35年以前、中学三年だった僕の目には、そのあまりにも鮮烈な映像"しか"焼き付かなかった。物語のハイパーさには付いてゆく...
ぷつん(岡田靖幸)2017.10.25 07:02 2017年の10月にもなると、ブレードランナーの続編の話になったり(あのララランドの人とハリソンフォードのW主演!!)、セルゲイパラジャーノフのざくろの色の話とワイルドスピードのスピンオフの主演がジェイソンステイサムとうわー名前が思い出せない。あの、確かお笑い芸人のラ...
「ゆきの話」(山内てっぺい)2017.10.24 15:30 私は今雪が降るのを待っている。でもこの町は雪が降らない。私の名前には雪が入っている。だから私は雪が好きだ。それでもこの町は雪が降らない。もともと雨すらまともに降らないようなこの町で雪を待つ方が馬鹿げている。でも私は雪を待ってる。こんなに寒い日なのにアイツが待ち合わせ場所に来ない...
ショートショート「アラームハウス」(DJ寝床)2017.10.24 13:26 不動産屋が進めてきた物件は、相場の半額という破格値の家賃だった。「いやいやいやいや、これダメでしょ」「お客様のご要望通りですよ。駅から徒歩5分、近くにコンビニも駐車場も完備してます」「完備してこの家賃なんでしょ?教えてください、何かあったんですよね?」「事故物件ではありません。...
おわりのはじまり(大谷健児)2017.10.20 16:00はじめまして! 絶好の無差別殺人日和ですね★どうも、大谷健児(おおたに けんじ)と申します。健児の「健」は不健康・不健全の健、そして健児の児は児童ポルノの児という、デフォルトで重すぎる十字架を背負ったような惨憺たる名前です。ゆえに、うっかり善人面して「子供が好き」と言おうものなら...
ガラス、スティール、その頃の目覚め(岡田靖幸)2017.10.17 18:37 今日こそは、っと思い先週の頭からやっている下北沢にある個展に出掛けた。中々休みの取れない仕事三昧な先週今週をやっと乗り切った自分へのご褒美にでもなればいい。下北沢も随分と久しぶりになってしまっていて、うわーホーム…って言葉がうまく出てこないぐらいの変貌を楽しんでみる。...
今聞くしかないバンド「みるきーうぇい」(山内てっぺい)2017.10.11 15:00背番号88!八十八で米!!寒かったり暑かったり体調崩すっちゅうねん!山内です。文藝部のために掌編小説をちょこちょこ書いております。それはまたいつか載せるとして、今回は僕が今すごくハマってるバンドを紹介します。みるきーうぇい大人になるのをやめてしまった大阪発の3ピースバンド。(公式...
入部届に、20歳に関する幾許かの考察を添えて(零-0)2017.10.09 15:05――僕は20歳だった。それが人の一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい。あまりにも有名すぎるポール・ニザン『アデン・アラビア』の一節だ。夏に誕生日を迎えてひと月ほど経つが、確かに20歳というものはちっとも美しい日々などではなかった。どうせ文学に例えるなら、原田宗典の小...
ショートショート「セーフティコミュート」(DJ寝床)2017.10.09 14:29 私がセーフティーコミュートの仕事に就いて、もうじき一年が経ちます。 やることが多く大変な仕事ですが、日当もよく、概ね満足しています。 なにより、社会のために働ける満足感は、他の仕事ではなかなか得難いものです。 私は毎朝、午前四時に目を覚まします。 真っ暗闇の中、自転車を飛ばし...
彼女とさいだぁ(岡田靖幸)2017.10.04 18:44 彼女は俺の前でさっきからずっとシティポップを歌ってる。泡が弾けるようなギターの音は夏を思い出させ、てか今夏だ。「海に行こうか」俺は顔を作って彼女に言うけど、「え、今歌ってるから止まれないよー。超音速の恋だぜ」ってブクブクさいだぁな彼女はとても薄着でスケスケなんだ。&n...