入部、初投稿。この夏のフェスボルタ。(ベズ柴崎)

フェスボルタ文藝部を御覧の皆様、初めまして。
私はベズ柴崎と申します。
現在、東京のライブハウスを中心に主にアイドル系のイベント企画、制作サポート、ブッキング協力などをしています。
テレビブロスから始まった手作りフェス・フェスボルタから文藝部が発足されたとのことでしたので入部させていただきました。
まずはご挨拶としまして僕とフェスボルタさんとの関係や、テレビブロスと僕の出会いについて書いていきたいと思います。

フェスボルタはテレビ誌のテレビブロスから誕生した素人による手作りフェスイベント。
以前に関わらせていただいたグループのときにお世話になり、他のライブイベントやフェスではなかなか見られないような出演者が毎回目白押しで開催日までに一体何が起こるか分からない、タイムリーに誌上とネットとリアルが響き合う、とても楽しく刺激的なフェスイベントです。
何度か出演や間接的な協力や相談等をさせていただいてるうちに、先日のフェスボルタ宮益坂上から正式にスタッフという形で企画会議の段階からお招きしていただきとても嬉しかったです。
肥満体を揺らしながら練り歩く今の自分の姿からは想像し難いですが、幼少期~思春期までずっと体が弱く通院がちで、あるとき小児喘息が悪化し入院することになり、親が病院の売店で「一番安かったから」という理由で買ってきてくれたのが僕とテレビブロスとの出会いでした。

かつて気狂いのようにテレビっ子だった僕はテレビ欄を眺めるのが大好きで、家族で田舎の山形から神奈川へと引っ越して来たときに買った小さなテレビデオでVHSに毎日お気に入りの番組を録画し観続けていました。
成人する少し前、無理して使い続けていたテレビデオがついに壊れてしまい、VHSに愛着を持ちすぎていたせいかDVDに移行してからはややテレビから離れてしまい、映画や雑誌・書籍、SNSの前身のようなモバイルコンテンツやテキスト・画像・動画サイト等に触れることが多くなっていきました。
生活からテレビの比重が下がっていくことに寂しさもありましたが、あの時期にテレビを離れ、他の媒体やカルチャーに触れた経験がより人生を豊かにしてくれました。
世の中にはまだまだ自分が知らないたくさんの楽しいもの、考え方、視点があるということ、たくさんの楽しみ方や大切なものがあるということ。
僕にとって、その扉を始めに開いてくれて下地を形成してくれたものは紛れもなくテレビであり、テレビブロスでした。
僕の思春期のテレビ生活をずっと支えてくれたブロスの偉大さは、値段の安さもさることながら、コラムや特集がいっけんテレビにまったく関係ないような情報も盛りだくさんに詰め込まれており、しかし、その雑多で無節操な態度こそが僕が思春期に好きだったテレビの姿そのものでした。

フェスボルタは開催告知期間中、誌面やHPに載っている主催・ジョンさんのケータイ番号に電話さえすれば表現のジャンルに関係なく基本的に誰でも出演することができるという恐ろしく敷居の低いフェス。
今回は四会場で同時開催され、来場してくださったお客さまがタイムテーブルを見つめながらどの出演者を観るべきか頭を悩ませている様子は、さながらテレビ欄を見つめながらどうチャンネルを回していくか頭を悩ませているテレビ観賞者の姿に重なるところがありました。
フェスボルタは渋谷という街、ライブ会場を使ったテレビ番組、テレビ欄だったんだ。

テレビブロスさんと共に日頃からお世話になりっ放しのTRASH-UP!!さんもRocket baseさんもロフトブックスさんも、出版不況と言われネットで誰でも手軽に情報にアクセスできるこの時代に紙の媒体を通じて現代の感覚、独自の視点、情報の発信をし続けている姿勢に強く救われている。
今回のフェスボルタではTRASH-UP!!のグループSAKA-SAMA、Rocket baseのグループSummer Rocketをはじめ、アイドル系の出演者だけでも、ネオカイザー~ZeppDiverCityTOKYOで奇跡のワンマンを大成功させた里咲りさとその戦友の絵恋ちゃん、姫乃たま、あヴぁんだんど、電影と少年CQ、MELLOW GREEN WONDER、みんなのこどもちゃん、HAMIDASYSTEM、るなてん、すこやか健康クラブなど17年の東京のライブハウスシーンを賑わせるアイドルグループから、極北をひた走るちんぽやくざ、ブスiDまで多種多様なバラエティに富む顔触れ。
そして出演決定からイベント当日までのあいだにそういったシーンの先頭ランナーとして破竹の勢いを感じさせていたスーパー転校生Xの解散発表というドラマもありました。

イベントヘッドライナーとして出演してくださったロック、アイドル、アニメ・マンガ、ゲーム・特撮、プロレスなど日本のポップカルチャー・サブカルチャーを全部乗せで体現するTHE夏の魔物のホットなステージ、夏の大△×大谷能生のインテリジェンスとクールネス、ロマン優光+無銭カレンダーによるキッチュでパンクなパフォーマンス、シバノソウの葛藤、岡田靖幸の勇敢さなど感想は語りきれませんが、アシモフが手品師・佐々木さんとユニットを組んでパフォーマー側として会場に立たせていただいた瞬間の真っ白な頭に焼き付いた景色、心臓がバクバクしながら心に残った皆さんのたくさんの笑顔こそが最高の夏でした。

僕もみなさんも生きていると大変なことや些細な悩みごと、つまらないことやくだらないこともたくさんあると思いますがそんなときこそ自分好みに世界のチャンネルを切り替えて自由にザッピングして遊び倒してやりましょう。
そのための材料は世界や日常のそこらへんにいつでもごろごろ落っこちていると思いますので一緒に拾って楽しいことを考えましょう。
面白いものがあれば何でもいつでも教えてください。

フェスボルタ文藝部、こういった場・企画を立ててくださり感謝します。

マイペースに、がんばらずにがんばりたいと思います。
(とりあえず週1ペース目標くらいで。)

僕のテレビ生活、テレビブロス、フェスボルタはまだまだこれからも終わりそうにない。
実写版サーバルちゃんとして過ごした30代最初の夏でした。

ベズ

フェスボルタ文藝部

”電話一本で誰でも出られるフェス”こと『フェスボルタ』から、部活を始めます。小説、エッセイ、評論、体験談、旅行記、戯曲、インタビューetc.みんなで文章書こうぜ。

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