エディプスの夢日記 ( ぽっきー千代子 )

私は今日も長い夢を見ていました。うなされていました。目覚めて、確かに私は自覚した。私は壊れている。子供たちも壊れている。そして、壊したのは大人たち。そして、一番の犯人はママである。私の一番下に隠していた事が、とうとう夢になって現れた。


ママが悲しむ。ママが悪口を言われる。ママが暴力を受ける。それを見ている子供は、おもしろいように壊されていく。私も、これでもか、っていうほど、経験してきたではないか。私は知っていた。認めたくはない、本当の性癖。大好きな、パパとママの、たぶん、見ちゃったんだね。そして、私も見せちゃったんだ。10年もDVを受けている姿を。ママが大好き。だから、自分のしている事 同じだ。オトコへ、復讐しているのかな?


子供のため、とか言いながら、ぜんぷぜんぶ嘘っぱち。ママの都合のいいように、NOという言葉を持たないまま、どうしたらいいかわからなくて、振り回されて、そして見せられて、壊されていく。ママがよかれと思ってしてくれた事は、本当はありがた迷惑なんだけど、してくれた事自体が嬉しくて嬉しくてたまらなくて、認めたくないんだ。身体を壊しても、心がどんなに壊れても。本当は気づいてる。命になった瞬間から、子どもは犠牲者だ。真っ白な美しい存在が、大人の目で、言葉で、決め付けられて、押しつけられて、叫び声をあげながら、血を流しながら、無理矢理歪められて、型にはめられて、自分じゃない仮面をはめこめられて、命はどんどん進んでいく。虐待って、それ以上の虐待ってないんじゃないの? 違うのをちょうだい。私は、ママが笑ってくれるだけでいい。


私も、大好きな大事な息子たちに、同じ事をしているんだと気づいて、今、どうしていいかわからなくなっている。消えたい。ゼロに戻りたい。はじまりの瞬間を憎む。いろんな感情が湧き出す。自分を壊したい衝動。だけど、それは叶いそうにもないと気がつく。私はとっくに壊れているのだから。

フェスボルタ文藝部

”電話一本で誰でも出られるフェス”こと『フェスボルタ』から、部活を始めます。小説、エッセイ、評論、体験談、旅行記、戯曲、インタビューetc.みんなで文章書こうぜ。

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